2009年12月15日火曜日

氷雨  (日野美歌)


冬が近ずくと雨に混じって降ってくるもの、それは霙(みぞれ)と言います。硬く凍ったものは雹(ひょう)と言いますが、雹は冬の現象ではあまり起こらないようです。しからば氷雨とは何ぞや、と考えてみる。気象学的にはそんな言葉は使われてはいない。聞いたそばから寒そうで、悲しくなりそうな言葉、これが言葉絵の具というものです。歌謡曲を作詞する時、どれだけの言葉絵の具の調合が出来るかに才能が出ます。普段から言葉の調合を楽しみ、言葉遊びをして鍛錬すると、荒木とよひさ先生の”悲しみ本線日本海”みたいに、ありもしない♪シベリア颪♪や♪悲しみ本線♪と言う嘘のように美しい詩が生まれて来るのです。これが歌謡作詞の極意なんです。だから私も言葉遊びを楽しんでいるのです。

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