2011年3月11日金曜日

スタンドスティル(小椋佳)


若い二人には時間はあるが貯金はない、いつまでも遊んではいられない。生活をするため仕事探しがはじまった。それは丁度、小椋佳さんがNHKではじめてコンサートをすると言う時期だった。仕事が見つからない私に、彼女は、自分がキャバレーのホステスをするしかない、と言い放った。隣の住人の部屋からコンサートが聞こえてくるのを聴いて、彼女は、そわそわする私を責める。どうして愛し合う二人が、こんなにぴりぴりして傷つけ会うのか、若い日の愛情は肝要ではない。ついにコンサートは終わり、二人とも嫌な気分で一日が過ぎた。そして実家の母の紹介で日本橋の海苔屋に勤めたのはその後すぐだった。彼女も近くの茅場町で喫茶店に勤め、毎朝、二人で出勤する事になった。

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