2010年9月24日金曜日

夜明けの停車場 (石橋正次)


夜明けの曲で、ある歌謡曲をおもいだした。停車場なんて、今時のひとに、なんじゃそれは、と言われそうな古臭い呼び名です。しかし、これが昭和の言い方なんです。停車場という雰囲気に楽しいイメージはない。だから悲しい唄だという、文学的に決まっていた昭和文法なのです。’夜明けの停車場に、降る雨は冷たい。’という導入部で舞台は決定、そして悲しい物語は始まるのです。一種、太宰文学にも通ずる、たかが歌謡曲の作詞ですが、深く昭和文学を垣間見る、歌謡曲と言うものは、じつは素敵な読み物なんです。

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